
■生活習慣病の敵と認知症の敵は同じ
肉食は体に良くないとは本当でしょうか?
実は、体に悪いのは、肉全体ではなく、肉の脂肪(動物性脂肪)です。
たんぱく質はぜひ摂りたい栄養成分です。
動物性脂肪は肉だけでなく、乳製品にもたくさん含まれています。
”高脂肪のエサを食べ続けたマウスは、普通のエサを食べていたマウスに比べて老人斑(アミロイドβの沈着)が2倍に増えました。”
出所:「100歳までガンにならない食べ方ボケない食べ方」白澤卓二医師著
WHO国立がん研究機関(IARC)では、加工肉や赤身肉は大腸がんや前立腺がんのリスクを上げると提言していますが、認知症にとっても動物性脂肪は良いとはいえないようです。
地中海食が認知症のリスクを軽減することは有名ですが、その中で肉(主に牛肉や豚肉)は「月1回から数回の摂取」に限定するように推奨されています。
”牛や豚の動物性脂肪は、常温で固形であり、血液をドロドロにし、血中のコレステロールを上げ、過剰摂取は動脈硬化や脳卒中を引き起こす可能性が高くなります”
出所:「読めば納得!認知症予防」群馬大学大学院教授・医師、山口晴保著
脳卒中のリスクが上がるということは、脳血管性認知症のリスクが上がることに直結します。
”シカゴで4年間に渡って行われたプロジェクトでは、飽和脂肪酸を25g/day摂取した層は、13g/day摂取した層に比べて2倍以上のアルツハイマー病のリスクだった”
出所:「Power Foods for the Brain」Neal D. Barnard, MD著
欧米での調査ですので、飽和脂肪酸の多くは、乳製品(チーズ、アイスクリーム、牛乳、バターなど)と肉(牛肉、豚肉、鶏肉、ソーセージやハンバーガーなどの加工肉)などが中心です。
動物性脂肪は、脳血管性認知症のリスクだけではなく、アルツハイマー型認知症のリスクを上げてしまうのが飽和脂肪酸なのです。
■飽和脂肪酸が多く含まれる食品は?食品成分でデータベース(文部科学省)で飽和脂肪酸の含有量を調べてみます。
肉の油脂は目で見てわかりやすいですが、乳製品の油はわかりにくいですね。
下のリストは主な乳製品の100g中の飽和脂肪酸の含有量です。
・有塩バター 50.45
・ナチュラルチーズ/チェダー 20.52
・プロセスチーズ 16.00
・加工乳/濃厚 2.72
・普通牛乳 2.33
・ヨーグルト/全脂無糖 1.83
・ヨーグルト/ドリンクタイプ/加糖 0.33
バターは別格としても、チーズが意外と多いです。
牛乳は、200g飲むと5g程度に達しますので、注意が必要です。
ヨーグルトはさほど気にする必要はなさそうですね。
肉類はといえば、
・和牛肉/リブロース、脂身つき、焼き 20.33
・ぶた//ばら、脂身つき、焼き 17.59
・ぶた//ロース/脂身つき、焼き 9.32
・ラム/ロース、脂身つき、焼き 14.26
・にわとり//もも/皮つき、焼き 4.02
・にわとり//むね、皮なし、焼き 0.78ロースで比較すれば、牛、豚、羊、鶏の順番で低くなります。もちろん、部位によってかなり違います。
豚肉はで、バラよりもロース、鶏肉ではもも(皮つき)よりも胸(皮なし)が低いです。
肉の脂身は一目瞭然ですので、わかっているつもりなんですが。。
■摂取の目安は?
悩ましいのは、乳製品です。
カルシウムやマグネシウムが含まれ、認知症予防の効果があると言われているからです。
九州の久山町スタディなどでも推奨される食べ物となっています。
タンパク質の供給源として、乳酸菌の補給による腸内環境を良好に保つ効果もあります。
乳製品であれば、ヨーグルトを中心にするなどの工夫が必要ですね。
肉類に関しても、たんぱく質やビタミンB12の供給源として考えれば、重要とも言えます。
鶏肉を中心にするなどの工夫が必要です。
摂取量に関しては、あくまで、目安ですが、「地中海食のピラミッド」が参考になります。
肉類は、1か月に1回から数回が推奨されています。
先にご紹介したシカゴの調査では、1日の飽和脂肪酸13gの人のリスクが低いということでした。
牛ロース200gで、飽和脂肪酸が約40gになり、1日の目安の約3倍になってしまいますので、気を付けないといけません。
■適した調理法は?
体に悪いのは、肉(赤身部分)ではなく、あくまでも動物性脂肪です。
牛や豚は脂身を取り除いてから調理すること。
霜降り肉は食べないこと。
鶏肉は皮を取り除くこと、などが望ましいです。
肉を食べるときは、焼くより煮る、蒸すなどにより脂肪を落とすことがいいですね。
例えば、豚肉を調理する場合、煮豚にすれば油は外に出ますし、しゃぶしゃぶにすると油の摂取は控えることができます。
★★★かんたんポイント!
肉の脂身に注意。乳製品は低脂肪のものを。
認知症予防は40代、50代から。
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